冬の足音

昨朝の幻のような薄雪の記憶を忘却させるかの如く
日中は少し動くだけで汗ばむような陽気でした。
綿菓子の雲が浮かぶ澄みきった空気のせいで
より稜線が近く感じられる山際が里へ迫りくるような
親近感とも緊迫感ともとれる圧倒的な存在感。

しかしながら、黄葉中心の色付きもどことなく霜焼けしたような
少し茶色くくすんだ色に変化して。

路面では、積雪が一定量に達すると放水を始める
融雪水の試験稼働をしているようで
その上を行き交う車が地下水とジャレあって
小春日和の日本海のような穏やかな潮騒の音をたてています。

真っ先に赤く染まった街路樹の桜はあと数枚を残すのみとなりました。

とはいえ日が翳ると気温は氷点近くを彷徨うまでに至ります。
あとは雪囲いを始めだすといよいよ本番です。

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