風が吹けば“風呂屋”が困る?

当館の露天風呂の脇には大きな“イチイ”という木と孟宗竹を植えております。

この“イチイ”は“一位”とも書きます。

一位とは何の1位?と思われる向きもあるかと思われますが
これは朝廷の官位のことで
天皇陛下の杓(しゃく)にも使用されるところから授かったそうです。

飛騨では「一位一刀彫」という伝統工芸も引き継がれており
とても慣れ親しんだ、誇りある木なのです。

学術的にはアララギ科に属する木ですが
この新緑に目が眩しい時季にあって
竹同様この頃が彼らの「」なのです。

そのため、枯れた笹の葉と黄色い一位の細かい針のような葉が
ひとたび風が吹こうものなら
あたり一面に飛散致します。

玄関にも大イチイがありますので玄関番の男衆たちも四苦八苦していますが
お風呂も大変です。

定期的に網ですくってクリアするのですが
最近は大風の日も多く
『わっ』と声をあげたくなるほど、湯面を覆っていることもあったりします。

あまり足繁く魚掬い用の網を振り回すと
雰囲気も台無し。
皆様にも十分おくつろぎいただけないと思いますので
極力、空き時間を狙って“取り掛かる”ように係の方にはお願いしてあります。

が、しかし、どうしても100%というわけにはいきません。

露天風呂の脇に、そっと“金魚すくい”用の網を備え付けておりますので
入浴かたがた、“掃討”作戦にご協力いただけると幸いです。

一位の木と露天風呂

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