今日から、もう9月。
玄関室礼も“涼”を誘う風鈴ケ欄から
秋を愛でる“花箪笥”に模様替え。
そしてその主役は何といっても『菊』。
日本には野菊の種類だけでも300種以上が自生しているそうですが
そもそもは今日のように観賞を主とするものではなく
蓬などと同様に専ら食用とされていたそうです。
不老長寿の薬効があるとされ
9月9日の重陽(ちょうよう)の節句には
菊花を浮かべた酒を頂き、長寿を祈願する風習は今でも受け継がれています。
江戸期に入ると育種が進み
更に沢山の品種が人工的にも生み出され
『菊人形』や『菊花壇』『三段仕立て』など様々な装飾スタイルや
一輪で愉しむ大菊、仏花などに使われる中菊、古典菊などと多く派生したようです。
今、お花屋さんに置かれている菊は
実は殆んどが欧州で育種された“洋菊”なのだとか。
晩秋から冬にかけて山が枝からその葉を落とし
冬支度する頃には“菊”こそが彩りとして私たちを愉しませてくれます。