玄関に入ると お客様を涼やかな声でお迎えする影の演出家。
先日 調理場スタッフの岡田さんが「孫があきたで持ってきたんやさ~」
といって虫籠にくださいました。
“キリギリス”です。
キリギリスといえばイソップ童話のあのお話し
このお話し 実は2通りあるそうで
原典では。。。
冬になって、穀物が雨に濡れたのでアリが乾かしていると、
おなかのすいたキリギリスが来て、食べ物をもらいたいと言いました。
『あなたは、なぜ夏の間食べ物を集めておかなかったんです?』
『暇がなかったんです。歌ばかり歌っていましたから』と、キリギリスは言いました。
すると、アリは笑って言いました。
『夏の間歌ったなら、冬の間踊りなさい』。。。
私の知っている話とはちょっとちがい冷たい結末で終わっています。
イソップは、そもそも「自助の努力を怠るな」を強調する話を作ったのに、
日本では「苦しい者にはお情けを」の話に変えられてしまいました。
日本流の結末を聞いた西洋人は、「馬鹿な・・・・」と思うそうですが
キッパリ断って自立心を植え付ける西洋流と、
苦しい時にはさぼった人でも助けてあげる日本流と、
どちらが子供のために役立つ教訓だと思いますか。
この短い寓話は、四百年たつてもなお日本人には、
難しい課題として残されているのだそうです。
お話は別として 当館のキリギリスは一日中
いい声で本当によく鳴き 働き者です。