日本を買う
日に日に春らしさを増し
当館の有機農場もようやく雪が解け本格始動開始です。
近年、食をめぐる多くの問題から、食材に関してずいぶん関心が高まりました。
当館では3年前から地産地消と循環型モデルを促進すべく
3反の農場でいろいろな野菜を作っています。
地産地消を実践することには
たくさんの可能性がつまっています。
まずは地球温暖化防止への貢献
日本は食糧のほとんどを海外からの輸入に頼り
遠くからの食材は、船や飛行機を使って運び、
更に私たちの手元へトラックなどを使って運ばれています。
モノによっては、この間ずっと冷蔵・冷凍ですから、
これが余分なCO2を出していることになるので
生産地と消費地の距離が近ければCO2の削減に一役かったことになります。
また食の安全に関しても、
遠方から時間をかけて運ばれてくるわけですから、
途中で傷がついたり 痛んでしまったりすることがないよう
とくに青果物などは、薬品処理をする場合が多くなるそうです。
もちろんこれらの薬品は人体には影響がないことは確認済みだと思いますが
出来ることなら使わずに済んだほうがいい。
輸送距離が短くなれば、防腐剤などの薬品を使うことなく
私たちの手元に届き これまで以上に安心して口に運ぶことができます。
そして何といっても生産者と消費者との関係
“○○さんちの”とついていると ついつい手が出てしまいますよね。
生産者の顔が見える安心 本来の旬の味を知ることができます。
こんなことを思いながら早3年
今年は即席プレハブの温室も作り 苗から育ててみようという
初心者にあるまじき行為で頑張っています。
当館で作る春野菜は菜の花に春キャベツ、アスパラガス
スナックえんどう、そら豆 さやえんどうなどなど
その時々の献立に盛り込まれ お客様にも大変喜んでいただいております。
そんな中 いつもネックなのはレモン。
レモンは外国のものというイメージがあり 国産は超レアで高い
。。。と思い込んでいました。
今回 東北関東大震災が起こり
一時期 福島や茨木で農作物が売れなくなったことをきっかけに
「日本を買おう」という意識が 一層強くなり、
一度既成概念を振り払って探してみました、国産のレモンを。
ネットで検索するといくつかショップは出てくるのですが
やはり少々お値段は張り気味。。。
現在の状況ではコスト度外視で、とはいかないので
あきらめかけた矢先、とても素敵なご縁がありました。
長畠農園さんは瀬戸内しまなみ海道の温暖なイメージのある尾道でレモンはじめ
様々な柑橘類を手掛けていらっしゃいます。
http://www11.plala.or.jp/nagahata/
尾道は、聞くところによると国産レモンの発祥の地で
生産量も日本一だということを知りました。
HPを拝見すると直売されている様子はありませんでしたが
気さくな感じのするお写真に親しみを感じ、お問い合わせしたところ
ご好意で少し分けていただきました。
枝もぎしたものを翌日直送いただき、
まさにフレッシュ・レモンを頂戴しました。
ズッシリとした密度を感じさせるレモンちゃん達は
ワックスがかかっていない“素ッピン”勝負。
凝縮した酸味がえぐみを感じさせない皮の香りと相俟って
とても美味しく、あしらいや水の物、
柚子湯ならぬレモン湯として当館の温泉に浮かべるなど
色々な用途に使えそうです。