高山市の東本願寺において『中村久子展』が開催されています。
中村久子さんは高山市に生まれ 幼少時に「特発性脱疽」という難病にかかり
両手両足の切断を余儀なくされ 苦難の人生となりました。
それでも この境遇と障害の身である事実と真正面から向かい合い
力強く人生を生き抜かれました。
その壮絶な人生の中で 彼女を支えたものは
仲間と『歎異抄』との出会いだったそうです。
『歎異抄』は700年ほど前、
親鸞聖人の高弟・唯円(ゆいえん)によって書かれたものといわれ
仏教書のなかで一番読まれているといわれています
『善人なほもつて往生をとぐ。いはんや悪人をや』という原典は有名なフレーズです。
彼女は生涯の中で『歎異抄』の教えに感動を受け、
その生き様は 国、民族、文化、宗教、など様々な差異を越えて
命の尊さや生きる深い意味を教えてくれます。
今回の『中村久子展』では 感動の言葉の数々を
写真や遺品などとともに展示されます。
度重なる逆境の中でも、人間としての誇りを失わなかった女史の生涯は、
現代人の荒廃した心に届けといわんばかりの強烈なメッセージです。