今、時折見かけるACの田舎暮らしのCM
頭に浮かびますでしょうか。
元気に駆け回る子供達
その脇で農作業をしながら見守る家族
山之村のどこか懐かしい景色は見るものの心を安心させます。
CMに登場する飛騨市神岡町山之村は、
岐阜県の最北端に位置し富山県に境が接しています。
同じ飛騨市といっても 山之村地区までは車で1時間30分、
神岡町からも22km山間に入った標高千メートルの山里。
雄大な北アルプス飛騨側山麓の7つの集落に70戸があり
昔ながらののどかな山里風景がひろがります。
700年の歴史をもつこの地域には、
茅葺きの家や、板倉、地蔵堂や道祖神などがあり、
そこには穏やかな空気が流れ、「にほんの里100選」にも選ばれています。
この選定委員長である映画監督・山田洋次さんは
こんな言葉を残していらっしゃいます。
「にほんの里100選」というタイトルをはじめて聞かされたときに感じたのは、
なつかしい風景や誇るべき暮らしの文化を残しているような地方が、
ぼくたちの国に百カ所もみつかるだろうか、という不安だった。
しかし、ふたを開けてみて驚いた。
寅さん映画の監督として日本中を歩き回った経験など
実に貧弱でナンセンスということを思い知らされた。。。と
長編CMの冒頭に寒干し大根の作業が少し写りますが、
寒干し大根は1、2月の極寒期に天日干しをし、
キツネ色に変わり保存食として、どの家庭でも作られています。
そろばん玉のように串刺しにして干される輪切りの大根は
その景色の美しさと共に、美味しさはまた格別なものです。
毎日降り積もる雪の中で 雪国だから作り上げることができる味、
山之村ならではの景色をいつの間にか構築されていたのですね。
今では全国各地から劣り寄席の依頼が来るのだそうです。
美しい暮らしを残す・・・という事は、そこに人の営みがあってこそ。
山之村にも もうすぐ春が来ます。