夏の花火の定番といえば「線香花火」
この花火が放つ独特の火花は 大人も子供も魅了します。
実はこの線香花火、
よく知っているようで実体についてはあまり知られていません。
どうしてこのような現象が起こるのか全てが解明されていないのだそうで
だから より惹かれるのかもしれません。
火薬の量は0.06から0.08gと微量の中で決められており
0. 1gに達すると「線香花火」にはならず
大切な大切なあの玉が落ちてしまうのだそうです。
よくパフェなどに付いてくる「スパーク」は金属の火の粉
「線香花火」の火花は炭。
よく似ていますが、素材も全然ちがうものなんですね。
原料はとてもシンプルで和紙(こうぞ紙)と硝石、硫黄、松煙だけあればできるのですが、
あの綺麗に咲く線香花火をつくるにはかなりの職人技術が必要です。
まずは、紙縒(こより)をよること。
程良く堅く縒ることであの綺麗な松葉のような火花が飛ぶのだそうで
紙縒(こより)が線香花火の命。
火の玉の落ち具合も、ここら辺が関わっているのだそうです。
次に、和紙。
洋紙では出来ません。
紙の繊維が不規則でもんでも破れない薄くて丈夫な半紙、
しかも「楮」(こうぞ)で作ったものが最高。
そう思うと河合の山中和紙も 高級線香花火に使っていただけるのではなんて
思ったりしました。
そしてなんといっても原料の中で一番重要なのは、松煙です。
松煙は松の木の切り株を焼いたときに出るすす(油煙)のことなのですが
今ではこれを手に入れることができないため
「線香灰」という合成の物を代用しているのだそうです。
あの小さな火の玉から飛び出す大きな松葉花火、
消えそうで消えない可憐で優しく、どこか懐かしい線香花火・・・。
今年もフロントにご用意しております。
夏の思い出にいかがでしょうか