暦の上では“夏”になっておりますので
(地域によっては体感もすっかり夏!のところもおありだ思います)
当館の部屋の室礼も少しそのように。。。
ドン、と立っていた唐紙の襖(ふすま)は
涼やかな簾戸(すど)や簾(すだれ)に。
文化財に指定いただいた招月楼や光月楼は主に簾ですが
平成の観月楼は簾戸を拵えております。
腰板の部分には部屋の名前(月名)にちなんだ動植物を
古川で水墨画を指導されている先生に描いていただいたものです。
暖色系の紬の座布団は淡いみずいろの“絽(ろ)”のものへ。
花入れはギヤマンや染付け、青磁などに。
そして布団も夏布団へと。
部屋ごとに見れば些細なことですが
全部屋ともなると結構大変な仕事です。
他の国にもこのような習慣があるのかは知りませんが
初夏の風とともに“お色直し”した部屋は
やはり清々しく
“視覚”で“涼”を感じさせてくれます。
季節を愛でる日本人ならではの知恵と楽しみ方なのですね。