当たり前が今に息づく飛騨の店

高山 上一之町に在る“前田履物店”さん。
今日び、履物屋さん、靴屋さん、シューズショップと呼び名はいくつあれど
殆どが“小売り”専門。

そんな中で前田さんは昔と変わらず自前でつくって自ら売る草履・下駄の専門店。

「天の竹皮は四国。底の牛皮は??(失念しました)。鼻緒は浅草のええヤツ。
 下駄草履の木底は足に負担のかからん柔らかい飛騨の桐材。」

ひとつひとつの材料を愛おしみながら説明してくれます。

その前田さんで以前誂えた主人の草履が
不運(不覚!?不注意!?)にもカビが生えてしまいました。

雨上がりの路上を少しく歩いて
(湿気を帯びた感じがしていなかったので)
そのまま箱に片付けてしまっていたのです。

その上 通気性のないビニールに入れて。。。。。

初級以前の初歩の段階の恥ずかしい失敗だったのですが
諦めてゴミにしてから新調すべく久々に訪問。

「どんな状態になっとっても、勿体無いで、大概のことなら直すんやよ。」
と優しくも諌めるお婆ちゃんに
自然と身に付いた古き良きニッポン人のECO意識を感じました。

今では鼻緒が切れたらおしまいよ!という
ディスポーザブルな下駄・草履が大勢のようですが
前田さんのは勿論、底に調整用兼修理用の紐が“格納”されている
サスティナビリティーな旧来品。

「どんな事でも持ってきてくれんさい。」
という温かい声掛けに
「今度は勝手に諦めずに何でも相談しよう。」
と決意を新たにするものでした。

いいものを長く補修しながら慈しんで使う。。。。。
そんな“ゆかしい”女性に無意識になれる日を期待しつつ。

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