当館は会社組織ではない、いわゆる“自営業”。
ここ数十年の間に日本の企業の人事は
年功序列→成果主義→そして揺り戻し感のある昨今
と目まぐるしく制度改訂が行われています。
少子高齢化や人口減によって
今までの常識?の範疇での労働力不足に対する備えとして
世の中でも『多様な働き方』の模索がされています。
関与人数の多い企業さんは
これを『制度』としてきちんとフィックスしなければいけないのでしょうが
良くも悪くも家業の延長で今まで来た当館は
ある意味『周回遅れのトップランナー!?』。
今までも、50名程度という“目の届く範囲”の規模のお蔭で
オーダーメイド的に雇用スタイルを培ってきました。
一家の大黒柱として、また長期就労を念頭にして勤めて下さる正スタッフさん。
色々な理由でフルタイムではない雇用形態を望まれるパートスタッフさん。
特に女性が活躍する場の多い職場として
若いスタッフも
海外への足掛かり(資金貯金と日本のアイデンティティの学習という一石二鳥)
ご家族の介護、家事との両立、芸や技術で身を立てるまでのステップ
などなど。
働きたい時間帯や曜日、希望収入も様々。
これらのシーズと業務で必要なニーズを“モザイク”のように組み合わせて
シフト編成をするのも私の重要な仕事の一つ。
しかして“庶務部門”と云われるバックヤード(お掃除や食器洗浄など)は
その職域からいっても
若いスタッフよりもマメに丁寧な仕事をして下さる
“熟練”の方達の醍醐味が発揮できる場だと思っています。
現在、平均年齢が限りなく60歳代の庶務グループは総勢約20名。
ほとんど家庭の主婦でもある皆さんは
余程ご理解のあるご家族方に恵まれてか
シフト組みで逼迫すると、温かく、そして快く手を差し伸べてくれます。
ところが、盆・正月(ついでに古川祭りの日)は。。。。。
やはり飛騨の主婦にとってはどうしても在宅を死守しなければいけない日のようです。
満室続きの今のような時季は
昨日、今日、明日と充足率が軒並み50%割れ。
他部門からも僅かながらシフトしてもらったり
出勤の方には残業を頼んだり。。。。
無理して出てきて下さっている方に更に無理をお願いしなければならないので
心苦しい限りです。
そこでいつも思うのは
私の中での『もう一度行ってみたい宿』NO1の
仙仁温泉 岩の湯さん。
ここの経営者の方がインタビューで以下のように答えていらっしゃいました。
~以下引用~
「ふつう、旅館の仕事は土日の休みはない。
かきいれどきの盆暮れ正月クリスマスの休暇もない。
これでは社員が自分の家族と幸せに過ごせません。
そこで、お客さんには申し訳ありませんが、盆暮れ正月クリスマスを含め
私どもでは年間27日の休館日を頂いております。」
~以上引用終わり~
今まだ当館では
そのかきいれどきに頑張らせていただかないと
成り立たないようなレベルですが
いつかきっと岩の湯さんのような信条とスタイルが確立できる日を目標に持ちながら
目の前の一歩一歩を高めていこうと思うのでした。