飛騨古川と云えば
「酒と祭り」
在住の成年にアンケートでもとれば
そう答える確率は8割以上ではないかと思われる位
象徴的で、かつ相互関係性の高いこの二つ。
少し前にお越しいただいた蒲酒造場さんの『かけどめ』
に引き続き
昨夜は渡辺酒造店さんの『かけどめ』を当館でしていただきました。
かけどめ とはお酒の主原料である酒米を蒸すことを終了する
蒸し器へかけることをとめる、酒造の世界では
大きな山場を越した一つの証なのだそうです。
渡辺酒造店さんの杜氏さんたちは
有名な岩手の『南部杜氏』さん。
今の杜氏さんは20年来のお付き合いだそうです。
10月中旬、稲刈りが済んで後、現地入りされ
それから約150日の間、この地で酒造りに専念されます。
昨夜はそのホッと出来る節目の酒席でしたので
皆様一様に喜びと達成感がみなぎっていました。
ちなみに日本酒の生産量消費量ともに
趣向の変化などもあり全体的には確実に『右肩下がり』だそうです。
国外の日本食ブームなどと連動して海外進出で活路を見出す口もあるそうですが
なかなか国内の穴埋めが出来るほどのボリュームではないそうです。
そんな中、“蓬莱”のブランドで手堅く飛騨の地酒として
評価の高いお酒を造られている渡辺酒造店さんは
今年の生産量は昨年より上回る量で設定されたとのこと。
飛騨地域は12軒の造り酒屋さんがひしめく酒処ですが
ここのところ、とんと生産量を増やしたというような話は
聞いたことがありませんでしたので
かなり画期的なことですし、それだけご努力をされている証明でもあるんですね。
古川生まれの古川育ちの人間からすると
酒=清酒=一升瓶 という感覚でしたが
今や清酒よりも吟醸酒や純米酒などの所謂、高級酒の生産割合の方が
高くなっていらっしゃるとも。。
連綿と事業継承をしていく中では
時として繊細に、かつ大胆な舵取りが必要になるのでしょうね。