僅かな暇をみては牛歩読書を相変わらずしておりますが
最近の“マイ・ブーム”は『白樺派』?
厳密には「白樺」という同人誌に寄稿されていた作者さんたちで
『派』というような思想グループではない、と聞いたことがありますが。。。
武者小路実篤や有島武郎、志賀直哉など国語や社会の教科書に名を連ねる面々。
思想派閥ではないにしても
私の読んだ範囲の作品たちは
どことなく人間の内面を前向きに正直に吐露した作風が多いようで
とても共感を呼びます。
大きな自然や摂理に抱かれた中で、無力で悪あがきしている微笑ましい人の営み。
しんしんと降る雪を見つめながら「そうだねえ」と思ってしまいます。
たまたま、今読んでいる武者小路実篤の『幸福者』に
素敵な一節がありましたのでここに紹介します。
~~以下 引用~~
この世を仮りの世の中とするにはあまり美しすぎる。
空の色、水の色、草木の色、それらの美しさは無限を思わせる。
この美をほんとうに知れば我々は自分たちのこの世に
人間として生まれたことの幸福を感じないわけにはゆかない。
この世は美しいものが多すぎる。
多すぎるために我々は無頓着になる傾がある。
しかしこの世のなかに無限の美しさを感じることができないように
この世がつくられていたら
そう思うと、自分はこの地上に生まれたことを感謝する。
~~以上 引用終わり~~