月への想い

「春は花夏はほととぎす秋は月冬雪さえてすずしかりけり」
昨夜 今年の中秋の名月はいつかしら?とおもいながら 
窓から見える少しかけた月を眺めました。

秋は空も澄みわたり いっそう月が綺麗に見えます。

お月見といえばその昔は水に映して愛でるものとして 
池で龍頭の船に乗り 雅楽楽曲を聴きながら月見を楽しみ、
十五夜の満月のみならず十三夜の月を「後の名月」といって 
両方の月を愛でて初めて月見が成り立つといわれました。

また月は風情の対象としてだけではなく 
満ち欠けによって月日を知り、農事の目安とした時代、
信仰の対象でもありました。

満ち欠けを繰り返していく月 
そのことが とりわけ生命を育む女性に深く関わっていること 
そして腹、胸、胴など身体を表わす感じに月が用いられていることも
偶然ではないような気がします。

こんなことを思いながら 姿をかえてゆく月を思うと 
その時々の形に数多くの呼び名がついていることに驚かされます。
夕月、望月、立待月に居待ち月などなど。

ただ残念なことに こんな風流な呼び名で月を愛でる日本人は
少なくなってきたのかもしれません。

その時々の行事や二十四節季などに 今の四季を重ねても 
何となく季節感がずれ 使えない言い回しがたくさんあることを
たびたび思うことがあります。

雪月花、花鳥風月、
月までいける時代だからこそ 
日本の伝統美を後世に伝えるという大きな指名を果たさなければならないと 
ふと思う今日この頃です。

ちなみに今年の中秋の名月は10月3日
まだまだ先ですね。

月

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