平成11年に新築した大浴場棟も今年で10周年。
酒の町ならではの目玉として
“酒樽どぶろく湯”と称する露天風呂
(男性は午後2時~午後11時:女性は午前6時~午前9時 の入替制)
を併設しておりましたが寿命が来てしまいました。。。
昭和中期の造り酒屋さんの仕込み用の木桶樽を譲り受けて
そこに酒粕などを溶かして白濁させておりました。
おそらく本来の用途の酒樽の時には使用期間も限られ
年間の半分以上はきちんと乾燥させた状態でお休みしていたのでしょう。
平成の今日まで数十年の歳月をしっかりと朽ちもせず残されていました。
しかしながら当館へ“お嫁入り”してからは
清掃時に湯抜きをする以外
ほぼ一年中“酷使”しておりましたため
段々と周辺から朽ちてきて木枠が緩み
何ともくたびれた感じになってしまっておりました。
酒樽=酒の風呂
という構図がわかりやすかったのですが
やむなく撤去し、二代目へとバトンタッチ。
そして今回のは既に入手困難となってしまった木桶に替わり
『鍋』型の浴槽へ。
酒や味醂を入れる煮物鍋を意図したわけではなかったのですが
結果的にはそのようなイメージになってしまいました。
木桶よりは一回り大きくなり
ゆったりとはお使いいただけるのですが
お入りになる方が『具材な気分』におなりにならなければいいなあ
と取り越し苦労をしております。
10年間お勤めをして下さった木桶の材は
陽の光りをしっかり浴びさせて乾燥させてから
当館ロビーの薪ストーブの燃料として
最後のお勤めをしていただく予定でございます。
(在りし日の酒樽風呂)