栗よせの季節になりました

今月のお茶菓子は 飛騨の秋菓子として定番の『栗よせ』
寒天などのつなぎは入れず あずきと栗を蒸しただけの
シンプルな竿菓子です。

甘味を控えた素朴なこの味は 皆様に大好評で
栗のある時期、秋だけのお楽しみなだけに 
旅慣れたお客様はお土産に必ず買っていかれます。

栗といえば 岐阜県内南東に位置する中津川、
その名も知れた全国区ですが
9月に入るとともに、栗羊羹や栗おこわなど
多種多様な栗菓子、栗料理が花咲きます。

その中でも、つとに名高い『栗きんとん』。
栗と砂糖のみが原料のシンプルな和菓子。

シンプルな故に、その“材料”と“シゴト”が問われる部分でもあります。

最近は冷凍技術なども発達し、材料の栗を小出しにしながら
年間押し並べて生産されるところもあるように聞きますが
僅かな味と品質の差にこだわり
“まじめに”やっていらっしゃるところにとっては
原料が短期集中で供給されるこの時期は
年間で最も繁忙の極みを迎えるのであります。

栗を扱う業者さんですは
毎日トン単位の栗の入荷を受けて
鮮度にこだわり、その日のうちに加工されるのですが
そこで出る廃棄物は原料の50%。

使えない殻や皮 ほんの少し黒ずんでいる(やや鮮度が落ちている)ものや
身を掻き出してあるものも、まだまだ絞りとれそうなものも
廃棄物として扱われるそうです。

この光景を見て、米の表面の40%をこそぎ落として作られる
大吟醸酒を思い浮かべました。

ちなみに、トン単位で出てくるゴミの行方は。。。
と気になるのですが、それもご無用。

栄養価満点の栗の残存物は
栗畑へと還元されて
より品質の高い栗の生産へと循環されているそうです。

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